蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』(電撃文庫)

ロウきゅーぶ! (電撃文庫)

ロウきゅーぶ! (電撃文庫)

今年の電撃小説大賞受賞作品の紹介を見た中で、一番ライトそうだなあというのと、「ロウきゅーぶ」=「籠球部(バスケ部)」=スポーツをネタにした話を読むのも面白そうだなあということで購入。
部長のロリコン疑惑で部活が休部になった高校生の主人公が、あろうことか、小学生女子バスケ部のコーチをやることになってしまうことから始まる青春スポーツストーリー。読み進めるごとに各キャラの個性がはっきりしてきて、その個性を活かした終盤のバスケ勝負は読み応えありです。
特に、メインヒロインである湊智花のバスケへのひたむきさが良いなあと思います。子どもだからこその純粋さなのかもしれませんが、こういう気持ちを持てることは幸せなことだと思うし、さらにそれを支える他の女の子たちとの友情、それを理解して協力する主人公と周りの大人たちがこの作品を大変良いものにしていると思います。
「少女はスポコン! コーチはロリコン!?」というキャッチコピーを笑って受け流せるくらいの寛容さがある人には十分におすすめできる作品です。