壁井ユカコ『キーリ 死者たちは荒野に眠る』(電撃文庫)

3 年前に購入して途中まで読んだものの、その後忙しさの中に忘れ去られ、今までずっと放置していた本。当然内容は忘れているので最初から読み直し。
今回は途中で投げ出すということはなく、なんで一気に読まなかったのだろうと思うほど、楽しめました。
強い霊感を持つ身寄りのない少女キーリが、同じように霊が見える不死人の青年ハーヴェイとラジオにとりついている霊である兵長に出会い、学校休暇中の宿題をするためという口実で、彼らと共に鉄道の旅に出るという内容。
どちらかというと暗めの作品ですが、キーリ、ハーヴェイ、そして、兵長による鉄道の旅はなかなかの魅力があります。旅の中での様々な経験を通して、彼らがお互いに必要な存在になっていくという展開は読み応えありです。古びた世界の描写もなかなか。
これ 1 冊で完結してるものの、続刊も読みたいと思いました。ですが、今はなるべく多くの作者の作品を読みたいというのもあるので、多少の間隔を空けて続刊を読んでいく予定です。