竹宮ゆゆこ『わたしたちの田村くん』『わたしたちの田村くん 2』(電撃文庫)

わたしたちの田村くん (電撃文庫)

わたしたちの田村くん (電撃文庫)

わたしたちの田村くん〈2〉 (電撃文庫)

わたしたちの田村くん〈2〉 (電撃文庫)

とらドラ!』と同じ作者の作品ということで購入。
とらドラ!』のアニメ版での印象は、ラブコメ以前に青春ものだなあという感じなのですが、この作品も読み終わってみれば青春もので、素晴らしいラブコメだなあと思って読んでいると痛い目に合います。私は合いました。そう終わるのかと。
長男、三男とは違って、特にすごくはない主人公が、親友にそそのかされて、せっかくの中学生最後の夏なのだから、恋人を作ろうと思い立ったのがすべての始まり。恋人候補として選んだ松澤小巻は不思議系少女として有名だったが、その理由は…というのが第一話。
第二話は、松澤小巻と疎遠になってしまったところに、もう一人のヒロイン相馬広香が登場。彼女がクールなツンドラ系として振る舞う理由は?ここまでが 1 巻。
そして、2 巻の第三話は、松澤小巻と相馬広香のどちらを選ぶかという話(としておく)。
第一話と第二話は割と対比的なラブコメで、個人的には第二話のような賑やかな話が好きだったりしますが、キャラとしては松澤小巻の方が好きだったりするので、第三話の展開にはおおむね満足。外伝は、本編のアンチテーゼなのかなあと思いました。
物語全体としては、どんどん関わる人物が増えていくのが面白いところかなと思います。飽きさせないというか、読者を良い意味で裏切るという方向で上手く作用していたように思います。